フルーツルーツ様　訪問レポート

豊かな緑の中で育まれた植物たち

甲府駅から車で１時間あまり。
フルーツルーツの生産地は、山々の緑が美しい、八ヶ岳のふもとにありました。
あたりには青々しい草の香りが漂い、虫の音がにぎやかな場所です。
都会では夏日も記録する時期だというのに、遠くの山にはなんと雪が残っていました。

フルーツルーツは、原料となるハーブの生産から商品化にいたるまで、同じ場所で行われています。
もちろん、土壌や気候により「適材適所」の考え方があるので、一部、取り寄せている原料もあるのですが、この土地でも元気の育つラベンダーやローズマリー、ペパーミントなどは、その目的に応じてたくさんの品種が植えられています。


ここの主は、川上晃さん。
国産のオーガニック化粧品の製造元をたどっていくと、必ずと言っていいほど辿りついてしまう、日本のオーガニック化粧品において、なくてはならない方です。
その大きな体からは、とても、繊細な化粧品と関係しているとは思えないのですが、BIG　HEARTで日々「よりよい素材を使った化粧品」の研究をしてくださっています。

無農薬の畑は、あぜ道まで、ふわっふわ！！

訪問して、まずは農園内を案内していただいたのですが、そこは無農薬で栽培が行われているだけあって、畑はもちろん、畦道までふわっふわ！
まるで、綿の上を歩いているようです。
そんなふわっふわの土の上を歩くだけで、「きっとここのハーブたちは栄養満点なんだろうな～」なんて思わされてしまいます。

そして、その栽培品種数の多いこと！
ハーブはもちろん、ひまわりやゆず、いちごなども育てられています。
ハーブはラベンダ－にはじまり、ドッグローズ（ローズヒップ）、マートル、ユーカリやティートリーなど、「日本でこんなものまで育つなんて！」と思わず興奮してしまうような植物たちが目白押し。

その数、なんと、約1000種類！
たとえばラベンダは、研究用のものも含めると、約300種類も育てられているそうです。ラベンダーにそんなに多くの品種があったなんて、初めて知りました。


そんな多種多様な品種の中から、「これは香りづけにいい」「これは防腐にいい」などとそれぞれの特徴を生かしてブレンドしているそうです。

そんな多くの植物が育つ農園で、毎日生育状況をチェックしながら、タイミングを見計らって摘み取られる素材たち。
摘み取った植物は、それぞれの性質にあわせて、あるものはそのまますぐにエキスを抽出し、あるものは一度乾燥させてから作業に入ります。
お伺いしたこの日もバラの花びらが敷き詰められたスペースが。
近くを通るだけで、華やかなバラの香りが漂い、優雅な気持ちに浸れます。

原料はもちろん、溶剤にもこだわりが

植物の栽培はもちろん無農薬で行われていますが、エキス抽出などの工程ももちろん、細心の注意を払って行われています。
たとえば、浸出液づくり。
アルコール度数の高い液体に植物を漬けて植物エキスを抽出するのですが、その液体にはエタノールではなく、「これが一番！」と選び抜かれた有機米100％の焼酎が使われています。

また化粧品に欠かせないグリセリンも、ここで育てられたひまわりから抽出していると聞き、そのこだわりようにこちらがびっくり。


川上さんの無農薬化粧品にかける心意気はすばらしく、無農薬化粧品について語りだしたら止まりません。

お伺いしたこの日は、畑のラベンダーを摘み取って、その場で芳香蒸留水をつくってくださいました。

「できあがった直後は青臭いけど、１週間ぐらいかけて、だんだんまろやかな香りになるよ」

と、川上さん。その言葉通り、日に日にまぁるい香りに変化するラベンダー水。
「本当に植物の特徴を知り尽くした方なんだな～！」と、思わず、感心してしまいました。

愛と、プロ意識をもって、製品化

こうして大切に育てた、生産者の分かる植物から選び抜かれた素材をつかってつくられた原料からようやく製品づくりが行われます。

製品づくりも、もちろん、手作業。
地元の女性たちがひとつひとつ、丁寧に作業してくれます。
プロ意識をもって取り組まれたその作業には、開発者も思わず「かなわない」と舌を巻くほど。
にこやかに、いきいきと働く女性スタッフを見ていると、この仕事に誇りをやりがいを感じて働いているんだな～、としみじみ感じます。

こうして、開発者、生産者、作業スタッフ、みんなのこだわりと想いの詰まった商品が私たちの手元に届けられているんだな～、と感慨深く想いました。

フルーツルーツのみなさん、どうもありがとうございました。　お邪魔しました！
現在もなお、商品の改良や開発に積極的に取り組んでおられるとのこと。
今後ますますのご活躍に、期待しております！！